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イタリア語奮闘記
遠藤 京子

「バード・バイ・バ・アンディヤーモ・アンダーテ・バンノ」
これは、イタリア語で「行く」という動詞の人称変化した言葉だ。
原形はアンダーレ。

“バード”は、私は行く。
“バイ”あなたは行く。
“バ”彼、彼女は行く。
“アンディヤーモ”私たちは行く。
“アンダーテ”あなた方は行く。
“バンノ”彼ら、彼女らは行く。

このように、一つの言葉が現在形だけでも六通りに変化。
さらにこれに、過去、未来形が加わる。

「ああ、気がくるいそう!!」なんて言いながらも、けっこう楽しく、ワクワクしてくる。
外出時も、ポケットに単語帳をしのばせて、外の景色を楽しみながら歩調にあわせて、動詞や代名詞の変化を覚えることにしている。

一番のメリットは、イタリア語を子守歌がわりにすると、苦手な家事がはかどる。
もう一つのメリットは、待ち合わせの時に相手がなかなか姿をあらわさなくても、イライラしないですむ。

こんな時こそ、単語帳のチラ見をする。
この方が新鮮に私の頭に入るから不思議だ。

机に向かって、いざお勉強となるとなぜか、私の場合ねむーくなってしまう。
語学学校に通って、じいっと椅子に座っているのも、私にとっては苦手なのだ。

それで、自分流勉強法をみつけた。
毎朝、月曜〜土曜の9時半〜9時50分までの、ラジオでのイタリア語講座。
テレビは月曜朝から6時40分〜7時までと、再放送が水曜3時から30分間、これを利用。

初めの頃は、テキストの文字を読むことに一生懸命になりすぎて、どうも耳の方がお留守になってしまう。
それで、テキストなしで聴こえてきたものは、かたっぱしからカタカナ、時にはひらがなでノートに書き留めるようにした。

初めは、ほんの一言か、二言しか聴きとれなかったのが、今では短いセンテンスなら、すぐそのとおりにスラスラ言えるようになった。

一応4年間、音楽を専門に勉強した私だったが、いかに肝心かなめの耳が悪かったかを発見。
イタリア語のおかげで、ピアノを弾くうえでも、ずいぶん大きな広がりができた。
これも、うれしい!! それで最近やっと、テレビとラジオの両方のテキストを求めるようになった。

冬にはつきものの、インフルエンザ。
もともとイタリア語で、影響力いう意味もある。

スパゲッティといえば、イタリアを代表する食べものだが、原形(辞書に載っている語)はスパゲットなのだ。男性名詞、単数である。まさか一本のみ、これを食べることはないから、複数形にして、スパゲッティと表現するのだろうか。
こんな、たあいのないことを知っただけでもうれしくて、身体のどこかが『ウフフ』と言って笑っている。

今月、20日のテキストの中に、「ドマーニ・パルト・ペル・ラ・シチリア」。
「明日、私は、シチリアに向けて、発ちます」というセリフがある。

ああ、私もこのような手紙を書いてみたい。
なぜならシチリアには、昔から強いあこがれがあった。

“シチリアーナ”(siciliana)。
なぜか、この言葉のひびきが、たまらなく好きだ。
心がふるえる!!音楽辞典をひいてみた。

「17〜18世紀のシチリア島起源の舞曲。6分の8、ないしは、12分の8拍子で、付点リズムに特徴がある」と、記載されている。大きな夢が一つできた。

もう一つ、目の前にせまっている夢がある。
それはイタリア語検定試験が、今年3月にある。

今や、私も受験生の気分を味わっている。
合格したあかつきには、花とシャンペンを買って、自分にご褒美をあげようと思っている。

主婦にとって、花を自分のために抱えるほど買うというのは、夢のまた夢なのだから・・・。

                         

(宮城県発信)

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