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定年後を元気よく楽しむ
佐藤 謙治

十六の時、飛行兵になってより働き続け、六十で定年になった。
存分に働いたので、定年後は存分に楽しみたいと思った。
大いに楽しめば元気が出、元気が出れば大いに楽しめる。

大いに楽しむのに自由活達でありたく、仕事で時間をとられないように無職であり、言動を慎まないように無位であり、趣味の会の役員なども固辞している。
 
元気が出るのは、体や生活が好調であってこそであるが、気分が明るくて楽しいことにもよる。
明るくて広い家に住んでいるので、気分がよい。
高い所より広い景色を眺めると、気分が明るくなる。
高いマンションに住み、高い高原に時々出かけている。

人とのふれあいで、心を暗くしたり明るくしたり、元気をなくしたり元気が出たり、などになる。
知らぬ人でも、会釈しほほえみあうだけでも、心を明るくして元気が出る。
車中で同乗の赤ちゃんにほほえみかけたり、通りすがりの人とほほえみあったり、などをしている。
話して笑いあえば、それだけで楽しくて元気が出る。

楽しいことは多くて、無限にある。
自宅にいて、居ながらに楽しめるものもいろいろある。
音楽が好きで、FMをつけっぱなしでぼんやりと聞いている。
音楽は心をいやし、くつろがせ、気分を高めてくれる。
ハモニカは小さいころ独習で覚え、定年後吹いてみるとでき老人大学の学芸会などで吹き、雰囲気を作っている。

花は美しく、心を明るくし、元気をもらえる。
窓辺やベランダに、ハイビスカスやブーゲンビリヤなど、一年中花を咲かせている。
自宅の傍らに、川と並木道があり、桜など四季ごとの花が咲き、自宅より見て楽しんでいる。
外出して花見やもみじ狩りをし、耕作や開墾もしている。

鳥はかわいくて美しく、気分をよくする。
自宅の傍らの川に、サギやカモなどがいて、居ながらに探鳥している。
鳥仲間や一人で探鳥へ出かけ、いろいろな鳥を見たり、ツルやサシバなどの大群の渡りを見て、大感動した。他の動物もすきで、メダカなどを室内で飼ったり、狸をえづけしたりである。

酒は心をいやし、元気づけにもなる。
好日として酒をおいしくし、おいしい酒は好日にする。
日が沈みはじめると、ゆっくりと飲み、月見酒が実にうまい。
人と飲むのも好きで、騒いでから元気になり、真の意気軒昂にもなる。

外での楽しみは、人々とふれあうので、元気の素になる。
ゲームは外出して人々とふれあってこそでき、そして勝負への挑戦で元気が出る。
勝敗での嬉しさと悔しさがあり、嬉しさは元気になり、悔しさは奮発心になる。
碁、将棋、麻雀であり、同好会で定期的にしている。

コンサート、パレード、お祭り、劇、映画、展覧会などの催しものは、楽しくて元気にしてくれる。
大都会なので世界的なものなどいろいろあって、よく出かけている。
往復はがきで応募し、当選して無料のもある。

会は多くの人に会え、知識や楽しみを拡げるので、かたっぱしに参加している。
一回きりは講演会や見学会などである。
継続的なのは講座などであり、老人大学は二年間であり、勉強や遊びなど、盛りだくさんだった。
同好会もいろいろあって、野鳥の会は特に親しく、探鳥へ出かけて野外料理したり、海外へも出かけている。私が作った会もあり、ハモニカ同好会、古代史遊学会、近所の人と近所の川沿いを散歩する会などである。

旅は外での楽しみの最たるもので、見聞を広めて元気が出る。
定年後は、主として探鳥で旅行し、国内中を回った。
良い時代に生まれ、多くの外国も旅行できた。
行事がない日は午後から外出し、広々とした郊外や園芸店などであり、気分転換や運動になっている。

定年して暇ができたのに、楽しみがなくて元気がない人がいる。
行政はそれらの人に、楽しみ心と元気を喚起するのに、生きがい特派員と余暇プランナーを起用した。
私はその一員になり、楽しみを計画したり、会誌に楽しさを連載した。
公募した文にも投稿し、時々入賞し様々な賞をいただいた。

無位無職では役立たずなので、青年相手の電話相談や外国人相手の日本語講師などのボランティアをした。
人のためになり、私自身の楽しみにもなった。
それらをしなくても定年後を元気よく楽しく生活するだけで、社会を明るくし青年たちに夢を与える。
老人にふさわしい役割かと思っている。

                         

(愛知県発信)

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