私の元気
渡邊 あやひさ

私は、35才を過ぎた時に「そうだ、今から毎日走って1万キロメートルを目指そう」と決心しました。

それまでも心のおもむくままに、昼休みを使って会社の周辺を走っていましたが、もっと目標を持って走っている人たちを見て、自分もと思ったのがきっかけでした。

「何故、1万キロ?」って、憧れのスイスが飛行機の直線距離で、ちょうどそれくらいだったからです。結果論からいえば、奇しくも1万キロを走破しない内に海外出張で、スイスを訪問する機会がありましたが・・・。

10年間で1万キロといえば、1年間で千キロ。1日当たりにすると、約3キロです。昼休みを使ってしかも、昼からの業務に支障を与えない適度な距離でもありました。

一旦、走り出すと、それが生活のリズムになるので1日でも走れないと、何かやり残したことがあるようで不安になりますし、すごく不健康な思いにも取りつかれました。

だから最初は、休み明け等でも無理して走った結果、膝を痛めたり風邪を拗らしたりして、決して良いランナーではなかったと思います。

でも走り出すと、自然と一緒に走る友だちができて、走りながら色々な話ができる機会も増えると昼前まで、くしゃくしゃしていた思いもすっきりしてくるから不思議なものです。

昼休みに熱心に走るような人たちは、走る目標もはっきりしていて、何かしらの大会出場を目指してがんばっていました。

私もそうした大会に出て見ないかと誘われて、最初は5キロメートルのマラソン大会に、2度目はハーフのロードレースに挑戦しました。

もちろん記録は平凡なものでしたし足の豆は潰れるし、しばらくは歩行も困難なものになるほど無茶なチャレンジでした。 

また、この大会の後に転勤辞令が出て一緒に走っていた友だちとも離れることになり、願望だったフルマラソンへの出場の機会は、未だに得られていないのもランナーとしては中途半端かなと思ったりもしています。 

しかし、その後の違う職場においても、ジョギングが継続できているのもこのような達成感が、支えとなってきたことには間違いありません。

もう一つは、大学時代から続けている筋肉トレーニングです。大学の時は、格闘技であるボクシングのために腹筋と腕立てを毎日欠かさず、百回程度こなしていたので社会人になっても、しばらくはそれを継続していました。

ところが結婚して、子どもが生まれるようになると、ついつい疎かになり体重は増えるし、体の切れは悪くなるし往年のスリムな体型はおろか、いつの間にか中年の醜いものになっていました。

前述した、ジョギングの開始とともに、再度筋肉トレーニングも開始しました。これによって不足していた上半身の筋肉をつけ、基礎代謝量を増加させ、肥満を防止できるはずでした。

ところが、走っても走ってもここ最近は、体重低下はおろか中高年者病である高血脂症、高血圧で上限値を超え、会社の診療所で指導を受けるまでになってしまったのです。

診断結果で判ったことは、いつの間にか高カロリーな食物を好み、且つ若いときと同じような量を食べていたために、運動量以上のカロリーを摂取していた事実でした。

特に先の転勤後は、職場での飲み会が多かったのも災いしたのだと理解しました。従って2年前からは、間食を控え、運動量見合いの食事の量に抑えると同時に、土日でも積極的に外に出て、自分の足で歩くようにしました。家の中で何でも家人に頼んでいたのを、自分でやるようにも心掛けました。

さらに専門の先生に教えてもらって、激しい筋肉トレーニングだけでは無く、足腰の柔軟を行うヨガに近いものも取り入れて、早朝及び就寝前にトレーニングを実施してきました。 

その結果、この2年で体重は20歳代の頃まで減量でき、その頃の洋服を再び着ることができるようになりました。体脂肪率も減少し、今までのCランクの判定から一挙にAランクまで回復することができました。

こうなると、何事にも積極的になるから不思議です。走ればあたかも風を切って走る感じが戻ってきましたし、いくらがんばっても昼休みに抜けなかったライバルに、追いつけるようになりました。

この夏からは遠ざかっていた絵画や小説にもチャレンジを始めています。このエッセイに挑戦したのもそんな自分の前向きな姿勢が影響していると信じています。

無理な減量は、必ずリバウンドが訪れると言われています。私も油断することなく、あの苦しかった時期を思い出して絶え間ないトレーニングで、これからも格好良い中年であり続けるために、努力してゆきたいと思っています。

最後に、現在の通算走行距離は1万2500メートルです。次の目標は、2万キロにしようかと。

                         

(三重県発信)

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